50代から膝が痛くなる原因

膝が痛くなる原因は膝にない

考えてみてほしい。あなたは日常生活で膝だけを曲げ伸ばしすることはあるだろうか。特殊な例(マシンを使った筋トレなど)を除けば、膝以外の関節も一緒に動かしているはずだ。歩いたり立ったり座ったりする動きには膝関節の他にも多くの関節が動作に参加する。とりわけ股関節や足関節は必ずといっていいほど膝関節と強調して動く。

痛みが出る動きというのは身体にとって非効率(部分的に過剰に負荷のかかるよう)な動きだ。問題は痛みが出るというのは結果であって原因ではないという可能性があることだ。

「痛みが出るところが悪いんじゃないの?」と混乱する人もいるだろう。ただ、多くは他の関節の動きが悪くなることで結果的に膝関節に負担が余分にかかり、それが膝の痛みの出現につながることがあることを知っておいてほしい。

では膝の痛みの原因はどこからくるのだろう。

私が施術してきた人の多くは「股関節の可動性」に問題がある人が多かった。

股関節の可動性が膝に影響する

試してみてほしい。あなたは膝関節をまげるだけでしゃがみこむことはできるだろうか。恐らく不可能だ。

股関節、膝関節、足関節はほとんどの動作で協調的に動く。例えばしゃがみこみ動作、最初に股関節が動きだし、膝関節と足関節が合わせるように折れ曲がっていくことでお尻が地面近くまで下がっていき、しゃがみこみ動作が完成する。

ポイントは股関節の動きがまず最初にはいることだ。人間の下半身の主動関節(動きの軸になる関節)は股関節だ。これは人間という動物の極めて重要な特徴である「2足歩行」から説明ができる。土台となる股関節が動くことで2本足で身体を支えたまま色々な身体の動かし方が可能になる。

股関節の機能の低下が続くことでの身体にかかるダメージは深刻だ。特に膝関節に過度な負担をかけてしまう。膝のダメージが増えるメカニズムはこうだ。

先に例に上げたしゃがみ動作。股関節が十分に動くと身体の重心(身体の重さの釣り合いがとれる場所)がほぼ膝の真上に位置する。

股関節の動きが悪いと膝が重心から離れていくように曲がっていく。これは両腕を真っ直ぐ伸ばし重量物を身体から離して持ち上げるのと同じ行為だ。重たいものを身体から離しながら持ち上げるとどうなるか、恐らく持ち上がりもしない。股関節の動かないスクワット動作は膝を壊すのだ。

膝の痛みに対するセルフケア

まずは我慢せず医療機関へ

では正に今、膝に痛みがある人はどうすればいいだろうか。痛みがある場合の第一選択は安静だ。膝に負担をかけないよう心がけ、可能なら包帯、サポーターなどを用いて膝関節を制動(余計な曲げ伸ばしの負荷がかからないよう膝関節の動きに制限をかける)のが望ましい。2~3日安静にすれば急性の痛みはある程度落ち着くはずだ。

膝に腫れがある時や、歩くのもままならない痛みがあるようであれば2~3日の安静、あるいは医療機関への受診を勧める。(この場合は整形外科、接骨院などが第一選択として良いと思う)

痛みがある程度落ち着いてきたら適度な運動を始める。そう、リハビリだ。もし長年の痛みに悩まされ膝痛が慢性化しているようであれば、2~3日安静にしなくても運動をすることで痛みの改善が見込める。

膝痛改善・予防のセルフケア

四頭筋セッティング

まずは自分の体重がかからないよう寝ながらできる運動から勧める。

  1. 仰向けに寝る。バスタオルを円柱に巻いて膝の裏に入れる。座布団などのクッションでもいい。
  2. クッションを潰すように自分の足を押し付ける。
  3. 力を抜く→押し付けるを繰り返す。10回1セット。1セットが終わったら一呼吸置いて2~3セット繰り返す。
  4. 膝裏のクッションを抜く。3と同じ動作で脚を寝ている床に押し付けるようにして膝を伸ばす→力を抜くを10回繰り返す

膝関節は完全伸展(伸びきった状態)した状態だと靭帯の安定性が増す。曲がった状態だと靭帯が緩み張力が十分じゃなくなる。例えるならキャンプのテントを立てるとき、地面に杭を打ちテント布をロープでピンと張るとテントは安定する。ロープが緩んでいるとテントは風でなびき、安定性を欠く。膝関節も同じで、膝が曲がったままだと安定性を欠くのだ。

ヒップリフト

これも仰向けでできるエクササイズだ。

  1. 仰向けになり膝を曲げる。曲げる角度は自身のすねが寝ている床に対して垂直になるように。
  2. 両腕を床に付け、脚と腕の力でお尻を持ち上げる。理想は目一杯。太ももと胴体が一直線になるところまで持ち上げる。
  3. 床にお尻を下ろす→持ち上げるを10回繰り返す。10回1セット。2~3セット繰り返す。

ヒップリフトは体重をかけずに下半身の筋力を養うエクササイズだ。2足歩行に必要な下半身の筋力を無理なく養うことができる。ただ行うにはある程度膝関節を曲げる必要があるので、膝が痛くて曲げられない人は飛ばしてもいい。

伸脚

伸脚体操は誰でも知っているような動作の体操だが、膝痛改善・予防の効果が高いと私は思っている。ポイントは膝関節の軽い屈曲動作と完全伸展だ。

  1. 肩幅もしくはそれよりも少し広い感覚で両足を広げて立つ
  2. 上半身を屈めて左右の手をそれぞれ同じ側の膝につける
  3. 片側の膝は軽く曲げ、片側の膝を伸ばす。伸ばす膝に置いた手は膝を伸ばすように軽く押す。
  4. リズム良く交互に繰り返す。

このエクササイズはいわゆるストレッチなのだが、「ストレッチは伸びる感覚があるところで動かずじっとしてたほうがいいのか、軽くリズムと勢いをつけて身体を動かしてもいいのか」というのがよくある疑問。わたしが出す結論は「どちらも継続すれば効果的」だ。

立ったまま行うエクササイズは有効である(というよりも必要だ)。膝に体重をかけると痛む人もいるだろう。そういう場合は無理は禁物だが、人間最大の特徴である2足歩行をスムーズに長く続けるには脚で体重を支える行為からは逃れられない。膝の状態が許す限りは立って運動することを強く勧める。

これは痛みを我慢して運動した方がいいということではなく。立って運動することは膝痛改善、予防に効果が見込めるから可能な限りやった方がいいということだ。

股割り

股割りは股関節が主動のエクササイズだ。股関節が機能的に動けば膝関節痛のリスクを減らすことができる。

  1. 脚を肩幅よりも開く。左右の手をそれぞれ同じ側の膝に置く。
  2. 爪先を正面より外側に向ける。以降の動作で膝のお皿が常に足の爪先と同じ方向に向け続ける。
  3. お尻を可能なら限り、立ってる地面に近づけるように降ろしていく。理想は両膝を結ぶ線の辺りまで。
  4. 適度にリズムをつけて、お尻の上下を繰り返す。注意点は背中を丸くならないよう、背筋を伸ばした状態で行う。

先に書いたように膝痛の原因の多くは股関節の機能低下からくることが多い。股関節を深く曲げるこの動作は股関節回りの柔軟性、筋力を向上させるのに大きく役立つ。相撲取りはあれだけ大きな身体でも素早く力強く動けるのは四股(しこ)という股割り動作で常に鍛えてるからではないかと私は思う。

股関節を使えば膝が痛くならない

膝の痛みの原因の多くは股関節の機能低下から引き起こされる。2足歩行の土台となるる股関節を機能を日頃高めておくことで、膝痛予防ら改善につながる。ぜひ運動習慣の中に股関節の体操を取り入れてみてほしい。

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