なぜ若い頃と同じように身体を動かすことが危険なのか
柔軟性の低下
柔軟性が低下した身体では怪我のリスクが上がる。腰痛、膝痛は股関節の固さが原因となることが多い。関節には「安定性が必要な関節」と「可動性が必要な関節」と役割が分担されている。可動して欲しい関節が動かず、安定して欲しい関節に余分に動くストレスがかかることでケガを誘発する。
筋力の強化と柔軟性の向上は両立できる
身体を鍛えることと、柔軟性のある身体は両立できる。むしろ関節を支える筋力が弱くなることで柔軟性が低下することだってある。50代から始める筋トレのコツは関節をより多めに動かすことを意識したい。
1関節を守る
動く関節、動かない関節を知る
前述した「可動が求められる関節」と「安定性が求められる関節」について例に上げるとしたらクレーン車だ。クレーン車はその強力なクレーンを「可動」させるときは車体が「安定」するようにタイヤとは別の足で車を固定する。そうしないと車体が動いてしまい、クレーンの力が逃げてしまうからだ。このように身体でも安定させて力を伝える関節と可動させて動作しやすくさせる関節と役割が決まっている
安定性が求められる関節
頸椎、腰椎、膝関節、肘関節は安定性が高まることで身体の調子を良くする。多くの人が痛みで悩まされる首・腰・膝だが、後述する可動性が求められる関節の動きが悪くなることで負担が増す。
可動性が求められる関節
肩、手首、胸椎、股関節、足首の可動性を一定以上保つことは運動の安全性、効率性にかなり大きく影響する。50代から始める筋トレはこれらの関節を意識して鍛えることが健康な身体づくりの第一歩になる。
2少ない負荷で高回数
100㎏1回と10㎏10回は同じ
例えば100㎏の重りで1回動作するのと、10㎏の重りで10回動作するのではどちらが筋肉に負荷がかかるか。
正解は「同じ」。筋トレは筋肉に負荷をかけることで、筋肉を成長させる方法だ。ここで多くの誤解があるが、動作1回の負荷が大きければいいわけじゃないということだ。
重量が上がればケガのリスクは上がる。重量が低ければケガのリスクが避けられる。50代から筋トレはケガのリスクを考え、軽い重量で行い、負荷を上げたければ動作の回数を調節しよう。
回数はより多く
回数が多いほうが、脳神経系への影響が強くなる。これは動作の調節がその都度脳で処理されるからだ。
特に小脳は運動機能調節を司り、動作する度に自分の身体の動かし方を適正化する。筋肉が発揮する力の強さ、関節の曲がる負荷さなどを動作の度に調節するのだ。
そう考えると50代からの運動はより多くの動作を無理なく行うことが重要である。
3余裕を持ったペースで
やる気は小出しにする
1日一生懸命やりすぎて、回復に時間がかかり気付けば筋トレしなくなってしまうパターンはけっこう多い。
筋トレは柔軟性の向上にも効果があるけれど、柔軟性の向上は運動直後すぐ現れるが効果が持続しないという特徴がある。筋肉には張力の自動調節が常にかかり、運動する身体には運動する身体に運動しない身体には運動しない身体に最適化されてしまう。
1日で燃え尽きない余裕をもちたい。やる気は小出しに。筋トレも「腹八分目」の感覚が大事だ。
変化が出るのは数か月後
これは私の普段の仕事の話だか、リハビリメニューを組む時は柔軟性の向上に1ヶ月、筋力の強化に1ヶ月、日常生活に合わせた複合運動指導に1ヶ月とおよそ3ヶ月程度の期間で回復を計画する。
筋トレするからには身体の変化を感じたいという人がほとんどだろうが、実際に変化を感じるまでにはどんなに効率的でいいトレーニングをしても数ヶ月はかかる。
1日で目一杯と気負わず、慌てず、気持ち良くを意識して筋トレに取り組んでほしい。
まとめ まずは「今日だけ」
とはいえ、筋トレを始める「今日」を大事にすることはとても重要だ。「続けなきゃ意味がない」と考えるのは正直負担になる。3日坊主でもやらないよりやるほうがずっと良い。
まずは「今日だけやってみる」ぐらいのつまみ食い感覚ではじめてみるのはいいかもしれない。やり方はケガをしなければ何でもいい。身体を鍛えたいという心の声が聞こえたらまずその場で屈伸運動を。偉大な第一歩だ。

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