解剖学の知識を小学生でもわかるように説明する試みです。今回は「細胞の構造」です。
まとめ
- 細胞とは、生き物を形作る大量に集まる粒のひとつのこと(生物の構成単位である)
- 細胞は、生物の設計図であるDNAを含む核、細胞の中で様々な仕事をする細胞質、それを覆う細胞膜で出来ている
- 細胞は、栄養や老廃物、自らが作り出したタンパク質を取り込んだり送り出したりする
- 細胞は、分裂し、古いものから新しいものへ入れ替わりを繰り返す。
- 細胞は、特定の機能を持ち、それぞれが専門的な働きをする
細胞とは?

- 細胞とは生き物の最小単位
私たち人間の身体は何で出来ているでしょうか。正解は細胞という粒が集まってできています。
細胞は生き物を形作るものの単位です。細胞1つは極めて小さいのですが、それがおびただしい数(人間一人をつくる細胞の数は37~60兆個あるという研究がある。とにかく多くの)細胞が集合することで生き物を形づくります。
細胞にはそれぞれ役割が分担され、一方は身体を支えられるように硬くなったり(骨細胞:こつさいぼう)もう一方は全身をシートのように覆い身体を守ったり(上皮細胞:じょうひさいぼう)と専門的な働きをします。
身体のパーツである目玉や脳みそ、骨や筋肉などそれぞれは違う形や機能を持っていますが、もとは同じ細胞の粒から生まれ、それぞれ特有の性質を持ち合わせることで特徴的な見た目を持つ人間(二本足で立ったり、髪の毛が生えたり言葉をしゃべることが出来たりするのは特性をもった細胞が組み合わさることで完成する)が出来上がるのです。
細胞の特徴
分裂する

- 細胞は分裂し、全く同じ2つに分かれることが出来ます。
細胞は分裂を繰り返すことで、常に新しい細胞と古い細胞を入れ替えて身体の元気な状態を保とうとします。細胞は極めて小さいので、身体の見た目や機能を変えずに身体のパーツを新しいものへ少しずつ入れ替えることが可能なのです。
例えばケガをして血が出た場合でも時間がたてば傷がふさがり元通りに戻るのは、細胞の働きで傷口をふさいだ後に新しい細胞に置き換わるためです。
ただし、神経細胞など一部の細胞は分裂しません。
有糸分裂

- 細胞が有糸分裂することによって全く同じ2つになる
細胞はいよいよ分裂を始めようとすると、核の中の染色体という糸くずみたいなのがきれいに二つに分かれます。染色体は身体の設計図であるDNA(デオキシリボ核酸)を持っていて、分裂する前に元あったDNAの全く同じコピーを作ります。
分裂した染色体がそれぞれ核となり全く同じ2つの細胞に分かれるのです。細胞が全く同じ二つに分かれれる分裂の仕方を有糸分裂(ゆうしぶんれつ)といいます。
減数分裂

- 減数分裂は、染色体の数が半分になる
先に説明した分裂とは違う分裂をする細胞があります。それは生殖細胞です。
生殖細胞はとりわけ生物が子孫を残すときに仕事をする細胞で、オスとメスがそれぞれの生殖細胞を合体させることで1つの細胞を作り出します。その細胞が分裂を繰り返すことで生物へと形を変えます。
1つの細胞の中にある染色体という糸くずの数が決まっているので(23対46本)、2つの細胞を合体させるにはそれぞれがまず半分にならなくてはいけません。生殖細胞は分裂するときに染色体の数が半分になるのです。半分になった細胞が合体すると染色体の数が1つの細胞の数になります。
生殖細胞の半分になる分裂の仕方を減数分裂(げんすうぶんれつ)といいます。
特定の機能を持つ

- 細胞はグループに分かれて専門的な仕事をする。
細胞はそれぞれ特定の機能をもち、それぞれが別々の働きをします。神経細胞は情報の伝達、骨細胞は身体の支えになる、といった具合です。それぞれの細胞は全く違った形や性質をもつのです。
生殖細胞が合体した時、その時点では一つの細胞ですが分裂をどんどん繰り返し細胞の数が増えていきます。細胞がある程度増えたところで細胞は遺伝子情報に従い、細胞の形や性質を変化させるグループがいくつか出てきます。細胞がグループに分かれるこの一連を分化(ぶんか)といいます。
細胞の作り

基本的な細胞の作りは、
- 細胞膜(さいぼうまく)
- 細胞質(さいぼうしつ)
- 核(かく)
の3つから作られています。
細胞膜

- 細胞膜は脂質(リン脂質)で出来ている
- タンパク質で出来たトンネル(チャネル)がある
細胞膜は脂質(ししつ)という成分でできており、細胞内部を部屋として覆っています。細胞内は生き物が元気よく生きるため、24時間休まず働いています。細胞膜は、それらの働きを守るように細胞内部を覆っています。
細胞内部が働くためには様々な物質が必要で細胞の中のものだけでは足りないので細胞膜は外から必要な物質を取り込みます。細胞膜にはタンパク質で出来たトンネルがあり、栄養分や老廃物などの物質は絶えず出入りしています。
能動輸送と受動輸送

- 受動輸送はエネルギーを使わない
- 能動輸送はエネルギーを使う
さて細胞膜はどうやって物質の出入りをコントロールしているのでしょうか。細胞膜は物質のやり取りをエネルギーを使う方法と、エネルギーを使わない方法の2通り行っています。
エネルギーを使わない物質のやり取りのことを受動輸送(じゅどうゆそう)といいます。
水に溶けた物質は濃度に差ができると「濃いほうから少ない薄いほうへ移動しようとする」性質があります。例えば1つの空間を2つに区切り一方はミチミチに物質が詰まり、もう一方はすっからかんに何もない状態だとします。区切りを除くとミチミチに詰まった物質はすっからかんの空間だった方へ流れ出します。
細胞の内と外で物質の濃度に差ができる時があるので、その時は勝手に細胞膜のトンネルを通って物質が細胞の中に入ってきます。しかし中にはその流れに逆らって物質が細胞のトンネルから外へ飛び出す時があります。
流れに逆らった物質の移動はエネルギーを消費します。このエネルギーを使った物質のやり取りは能動輸送(のうどうゆそう)といいます。
細胞質

細胞質は細胞の中で仕事をするやつらです。
- リボソーム(身体の素材「タンパク質」をつくる)
- ゴルジ複合体(作られたタンパク質を使いやすいようにしてから細胞の外に出す)
- リソソーム(細胞の中のゴミ掃除する)
- ミトコンドリア(細胞の燃料「ATP」をつくる)
- 中心小体(細胞の骨組み。細胞の形をキープする)
細胞の中で仕事するやつらのことを細胞小器官といいます。
こいつらだけだと細胞がスカスカするので細胞の中は細胞質基質(さいぼうしつきしつ)というので満たされています。
すごいぞミトコンドリア

- ミトコンドリアの働きでエネルギー効率爆上がり
細胞質の中で、細胞を動かすエネルギーを作り出すのがミトコンドリアです。
細胞が働かせるエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)といい、グルコース(ブドウ糖とも言う)という糖分を分解することでATPが得られます。細胞が糖分など必要な栄養を取り込みATPを作り出す一連を細胞呼吸といいます。
1個のグルコースが分解されると、2個のATPが得られます。しかしここでミトコンドリアが登場すると、1個のグルコースから最大38個のATPを生み出すことができます。ミトコンドリアの働きのおかげで細胞は極めて効率的にATPを作ることが出来るのです。
核

- 核内には染色体、染色体の中身はDNA
- DNAは人体の設計図。髪の毛や肌の色なんかが決まる。
核の中には私たちの身体の設計図ともいえるDNAが束上になった染色体があります。
DNAには遺伝子情報という極めて大事な情報があり、その情報によって身体のもととなるタンパク質が作られます。
DNAは普段は2本の糸くずみたいなのがらせんのように重なっているような(2重らせん構造)感じですが、RNA(リボ核酸)というやつがくるとそのらせんがほどけ、遺伝子情報を開示します。開示された情報はRNAが読みとります。この一連の流れを転写といいます。
読み取られた情報はRNAが核から細胞内のリボソームまで運ばれタンパク質の合成が始まります。このタンパク質合成の流れは翻訳といいます。
この流れで作られたタンパク質が組み立てられることによって髪の毛、筋肉、内臓、皮膚や爪など人間の大部分が出来ています。


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