解剖学の知識を小学生でもわかるようにわかりやすく説明する試みです。今回は組織です。
組織(そしき)とは

私たちの身体は細胞という極めて小さい粒が大量に集まって出来ています。最初は一つの細胞でしたが、それが分裂してどんどん増えていき生き物を形づくります。
細胞は、ある一定のところまで分裂するとそれぞれの役割に合わせてグループを作りだします。その細胞たちのグループのことを組織といいます。
細胞は組織というグループを作り出すと、それぞれ特定の機能を持ち出し独自に、そして専門的な仕事をするようになります。
組織の種類

組織はおおまかに
- 上皮組織(じょうひそしき)
- 支持組織(しじそしき)
- 筋組織(きんそしき)
- 神経組織(しんけいそしき)
の4つのグループに分けられます。
上皮組織

- 細胞同士に隙間が無く、みちみちに並ぶような構造
- 重層になると摩擦に強くなる
- 単層になるとろ過、吸収、分泌が得意
上皮組織は身体や内臓の表面を覆う膜のような組織です。主な役割は表面を覆うことで外側からの刺激から身体を守ったり、あるいは内臓を覆って物質の吸収・ろ過したり細胞が作った物質を分泌したりします。
細胞の形は、四角いのや細長いのがレンガのように敷き詰められた構造になっています。
単層上皮(たんそうじょうひ)重層上皮(じゅうそうじょうひ)

上皮組織は単層上皮(たんそうじょうひ)と重層上皮(じゅうそうじょうひ)の2種類に分けられます。
単層上皮は細胞の層が一列並んだだけの構造をしており、物質の吸収や拡散、ろ過などの仕事をする臓器の部分にあります。
重層上皮は細胞の層が何層にもなっている構造をしています。細胞が何層にもなっているため摩擦の刺激に強いです。
支持組織

- 他の組織間の隙間を埋める組織
- 細胞同士に隙間あり。隙間を満たす細胞外基質
- 細胞外基質の特性で密性結合と疎性結合に分かれる
支持組織(結合組織)は他の組織と組織の隙間を埋める組織です。主な役割は身体の支柱となったり、身体への衝撃の吸収や体内で組織から他の組織へ物質を運んだりと色々やります。
結合組織は細胞のくっつき具合や形で疎性結合(そせいけつごう)と緻密結合(ちみつけつごう)の2つに分けられます。
疎性結合(そせいけつごう)

- 細胞外基質が柔らかい。詰まってない。
- 強度はそんなに強くない
- 脂肪、リンパなど
細胞の線維の間隔が広く、細胞の外にやわらかいふにゃふにゃ(細胞外基質)がたくさんある結合組織が疎性結合(そせいけつごう)です。脂肪やリンパがそれにあたり、身体に加えられる衝撃の吸収をしたりします。
緻密結合(ちみつけつごう)

- 細胞外基質が詰まってきれいに整列している
- 強度は強い。
- 靭帯など
細胞の線維がミチミチにきれい並んでいるのが緻密結合(ちみつけつごう)です。線維が束上に強力に並んでいるので後述の筋組織のパワーを腱(けん)として骨に伝えたり、関節を安定させる靭帯としての役割を果たします。
骨

- 骨細胞の細胞外基質(骨基質)はめちゃくちゃ硬い。骨が硬いのはそのため
- 軟骨細胞の細胞外基質は3種類ある。(線維軟骨、弾性軟骨、硝子軟骨)
- 線維軟骨は椎間板、弾性軟骨は耳、硝子軟骨は関節軟骨
骨も結合組織として分類され、細胞の周りにカチコチの基質が集まっていてとても硬いです。その硬さで身体の支柱になったり、柔らかい組織を覆うようにガードします。
詳しくは別の記事で骨のことをまとめてるのでよろしければご覧ください
血液

- 血液は支持組織
- 固形成分(血球)45%、液体成分(血漿)55%
- 血液の量は体重の1/13。30%が失われると命の危険
血液は血管の隙間を埋める結合組織です(形がないので不定形結合組織という)
血液は赤血球や白血球などの固形の血球成分45%と、液体成分である血漿(けっしょう)成分55%で構成されています。
血液は血管の中を通り身体中を駆け巡り、肺(はい)という器官で取り込まれた酸素や食事で摂った栄養を身体の隅々に運びます。また身体の各所で出たゴミ(代謝産物)を回収し腎臓や肝臓などゴミを処理する器官までもっていきます。
筋組織

筋組織は自らの伸び縮みするパワーを他の組織に伝え、動きを与えます。身体を力強く動かしたり、口から入った食べ物をお尻の穴まで動かしたりします。心臓の拍動も筋組織が働いてやってます。
随意筋(骨格筋)

- 随意筋は自分の意思でコントロールできる
- 力こぶをつくる筋肉
- 綺麗な縞模様(アクチン、ミオシン、Z帯がきれいに並んでいるため)
随意筋(ずいいきん)とは、自分の意思でコントロールすることのできる筋組織です。
自分の頭(脳)で「ここを動かしたい」と思った時にその通りに動いてくれる筋肉で主に関節などを動かす骨格筋(こっかくきん)、顔の表情をつくる表情筋(ひょうじょうきん)がそれにあたります。
随意筋の細胞は細長い糸状の形をしており、それがきれいに束上にまとめ上げられたような構造になっています。筋組織を見てみると縞模様のが入っているように見えるので横紋筋(おうもんきん)とも言われます。
不随意筋

不随意筋(ふずいいきん)は自分の意思で動かすことのできない筋組織で、生命の制御装置である自律神経によって動作をコントロールされています。
心筋
- 自分の意思で動かすことが出来ない(自律神経がコントロール)
- 号令が出されると一斉に動く(収縮)
- 横紋(縞模様)がある。
心臓を動かしている筋組織です。
心筋は心臓の拍動という極めて大事な働きをするので、構造が特殊です。随意筋のように横紋があるのですが束上には並んでおらず、むしろ糸が絡まったような感じです。絡まってるつなぎ目には介在版(かいざいばん)という仕切りがあり心臓を動かす号令が出されると細胞が一斉に締め付けるように縮むことで血液をポンプのように送り出します。
平滑筋
- 自分で動かすことが出来ない(自律神経コントロール)
- 横紋(しま模様)はない
- 消化管の筋肉。食べ物をゆっくり送る(ぜん動運動)
平滑筋は内臓や血管などを動かす筋組織です。
随意筋のような横紋はなく、のっぺりと平たい細胞が集まっています。随意筋や心筋のように強力に収縮することはありませんが、飲み込んだ食べ物をゆっくりと運び出すようにもぞもぞと動かすことができます。
神経組織

- 全身に電線のように張り巡らされている。
- 全身に指令を伝えたり、全身から得た刺激(情報)を脳へ集めたりする。
- 脳が社長、脊髄が中間管理職、末梢神経が社員
神経組織はニューロンと呼ばれる電線のような細胞を身体に張り巡らせます。親玉である脳みそからの指令を身体全体に行き渡らせたり、目や鼻、指先などから感じ取った情報を脳みそまで報告したりします。
身体のあらゆるところに分布し、情報を集めたり脳から受けた指令を各所に伝えたりする神経を末梢神経(まっしょうしんけい)、末梢神経から集められた情報を受けたり身体中に指令を送ったりする脳や脊髄のことを中枢神経(ちゅうすうしんけい)といいます。
中枢神経
- 脳と脊髄からなる
- 脳は神経を通して全身に指令を送る
- 脊髄はあらかじめ準備された動作、「反射」に関わる
中枢神経である脳は身体から集められたあらゆる情報を合わせそれに応じた身体の動きをしろと指令する身体の親玉的存在です。動作に限らず記憶や感情などの管理もしています。
脊髄(せきずい)は脳に直接つながる極太の神経組織で、末梢神経が身体が危険にさらされるような情報をキャッチした時に「脳で考えてからでは遅い!」と無意識のままその危険を回避できるような動作の指令を出したりします。この一連を反射(はんしゃ)といいます。
末梢神経
- 脳からの指令を全身に伝える。各所で得た情報を脳に伝える
末梢神経は全身に分布していて、物をふれたときの固さであったり熱い冷たい痛いなどの情報をキャッチし中枢神経へと伝えます。また中枢神経から送られてきた指令を筋組織に伝えて身体を動かします。




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