命がけで睡眠時間7時間以上作れ。集中力、やる気、創造力の低下。寝不足の代償は計り知れない

健康の知識

この記事は書籍、SBクリエイティブ発行マシューウォーカー著「睡眠こそ最強の解決策である」の内容を元に作成しております。

寝不足度チェック。こんな状況は寝不足かも。

  1. 朝起きて、午前中のうちに眠気がやってくる
  2. コーヒー、エナジードリンクなどカフェイン入りの飲み物を飲まないと頭が冴えない
  3. 目覚ましがないと朝起きられない
  4. 文章を読んでも頭に入らず、何度も読み返してしまう

こんな状況に悩まされているようであれば、あなたの睡眠は足りていません。

私たちは朝起きて日中活動をしていると、脳内にアデノシンという物資が段々増えていきます。アデノシンは眠気を起こす物質です。アデノシンの量が増えていくにつれ眠気も増していきます。アデノシンは眠ることでその量が一気に減ります。私たちの身体の活動と睡眠のサイクルをつくる助けとなっているのです。

睡眠不足が続くと、脳内にアデノシンが残り続けます。本来であれば一度の睡眠でなくなるはずのアデノシンが残り続けると、何となく眠い状況が続いてしまうのです。この状況を「睡眠負債」といいます。

睡眠時間6時間以下は「寝不足」

寝不足の症状。起こりえる健康被害

  • やる気が出なくなる。記憶力が悪くなる(認知機能↓)
  • うつ症状
  • 心停止発症率400~500%↑。心筋梗塞、脳卒中発症率200%↑
  • 太る(食欲↑、代謝↓)
  • 糖尿病のリスク↑
  • 病気にかかりやすくなる(免疫機能↓)
  • 男はキ〇タマのサイズが小さくなる。女性は不妊のリスク↑(生殖機能↓)
  • 遺伝子にまで影響を及ぼす。(DNAへのダメージ)

本書では一日の睡眠時間が6時間を下回ると寝不足であると言い切っています。6時間以下の睡眠が続くと様々な健康被害が出る確率が増すという研究結果があるからです。

6時間以下の睡眠(いわゆる寝不足状態)が続くと起こりえる健康被害は以下の通りです。

頭が悪くなる。

睡眠時間が6時間を下回ると、集中力・記憶力・認知機能の低下がみられます。特に睡眠不足で一番最初に影響を受けるのは集中力です。

睡眠不足状態になると数秒間、外界からの情報が遮断されるマイクロスリープという現象が起こります。この事実の恐ろしいところは、刺激に対して反応速度が遅くなるのではなく全く反応しなくなることです。

6時間睡眠を10日間続けると24時間起きていた人と同じレベルまで集中力が低下するという研究結果があります。徹夜はもちろん短い睡眠時間も同じくらい集中力を奪うのです。

寝だめで睡眠不足は解消しない。頭の悪い状態が続く。

「普段は忙しくて寝られないけど、休みの日にたっぷり寝てるから大丈夫でしょ?」という方に悲しい知らせがあります。

睡眠不足の後に寝たいだけ寝る生活を3日続けても、8時間睡眠を続ける生活で発揮できる集中力に到達できなかったという研究結果があります。失った睡眠時間は取り戻すことが出来ないのです。

心臓や血管に負担をかける

睡眠時間が6時間を下回ると、循環器系をコントロールする交感神経が休まらなくなり心臓や血管に負担がかかります。

交感神経が休まず働き続けてしまうとコルチゾールというストレスホルモンが増加し、血管が収縮され血圧が上昇します。

その結果引き起こされるのが心停止のリスク400~500%の増加、心臓発作や脳卒中の発症リスクが200%も増加させるのです。ほんの少し寝る時間が遅くなるだけで心臓血管はダメージを受けるのです。

遺伝子レベルのダメージ

睡眠不足状態が続くと、遺伝子の老化が早まるという恐ろしいデータがあります。

私たちの身体は、全ての細胞の中にある遺伝子情報によって作られています。遺伝子はいわば「身体の設計図」なのです。細胞は身体の健康を保つために常に新しい細胞を生み出しますが、その際は遺伝子情報を元に細胞が作られます。

睡眠不足状態になると、遺伝子の活動が200%も低下することが分かっています。ある研究で、健康な男女に6時間睡眠を一週間続けてもらいその後の遺伝子の活動を調べると711もの遺伝子項目に異常がみられたのです。

具体的には慢性的な炎症、ストレス、心疾患のリスク因子が活発になり、免疫機能や代謝の安定などの活動は抑制されてしまったのです。

睡眠不足は、自分の身体の遺伝子操作をしているようなものなのです。しかも悪いほうへです。

睡眠の質を上げる方法

同じ時間に起きて同じ時間に寝る

睡眠の質を上げるのに一番重要なのは平日休日に関わらず同じ時間に起きて同じ時間に寝ることです。本書ではこの方法が睡眠の質を上げる最強の方法としています。

日ごとに睡眠パターンが変わってしまうと、身体の中のリズムが狂いやすく眠気のコントロールが難しくなります。「寝たいのに眠くならない」「活動したいのに眠い」といった具合にならないよう、睡眠時間の管理は一定にするのが理想的です。

睡眠時間は7~9時間をキープ

アメリカ疾病予防管理センターが、全ての大人に推奨している睡眠時間は7~9時間です。ここで重要になるのは、睡眠のために横になっている時間と実際に眠っている時間は同じじゃないということです。

あなたが睡眠のために夜12時~朝6時の計6時間取っているとします。実際に眠っている時間は5.5時間ほどです。これは横になってから入眠するまで時間差があるからです。睡眠時間を6時間以上をキープするためには少なくとも6.5時間は睡眠のために時間を作らないといけません。

「6時間寝る時間を確保しているから大丈夫」という方もいるかと思いますが、横になる時間が6時間ぴったりだとすぐ睡眠不足状態になります。

睡眠不足状態にならないようにするためには、覚醒16時間、睡眠8時間が人間の大人の最適なバランスであると著者は言っています。

快眠のためにしないほうがいいこと

アルコール、カフェインは摂取しない

アルコール、カフェインはあなたの大事な睡眠時間を削ってしまいます。

寝る前にアルコールを摂取すると、眠りが断片的になり寝てもなかなか疲れがとれなくなってしまいます。そして睡眠のなかのレム睡眠(記憶の強化を行う睡眠)の部分を大幅に減らしてしまうのです。「酒を飲むと眠くならない?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、アルコールは脳の覚醒を奪うだけで通常の入眠とは異なります。

カフェインは、先述の睡眠を促してくれる物質「アデノシン」の効果を打ち消します。カフェインは摂取してからおよそ10時間体内に残ります。睡眠時間を確保するためには入眠する10時間前にはコーヒーなどのカフェイン接種は控えましょう。

寝る前に運動はしない

寝る前に運動をしてしまうと体温が上がってしまい、寝つきが悪くなってしまいます。

身体は体温が下がらないと眠気が来ないようにできています。一度運動をしてしまうと1~2時間は体温が下がりません。少なくとも睡眠の3時間前には、運動を終わらせるようにしましょう。

寝る前はスマホやテレビを見ない

寝る直前までスマホやテレビを見ると、脳は夜を感知しずらくなり寝つきが悪くなります。

視覚の情報処理は脳の3分の1以上の容量を使っています。視覚に光が届かなくなることで脳はメラトニンという睡眠を誘発する物質を分泌し、眠くなるように出来ています。寝る直前までスマホ画面のブルーライトを見続けるとメラトニンの分泌が抑えられ、レム睡眠の割合を大幅に減らします。

ブルーライトはメラトニンの分泌を最大で3時間遅らせます。最低でも就寝に入る2時間前にはテレビ、スマホ、パソコンの画面は凝視しないようにしましょう。

快適に寝る前の準備

部屋を暗くする

夜は睡眠の妨げになるような明るい光は可能な限り避け、間接照明に切り替え得ることで脳のメラトニンの分泌を妨げないようにできます。そして寝るときにはカーテンを閉め光を遮断し部屋を暗くするのも睡眠の質を上げるのに重要です。

寝る前にお風呂に入る

寝る前にお風呂に入り温まることで、手足の毛細血管が拡張しのちに体温が下がることで眠気を促すことができます。

ここで重要なのが、身体を温めるのがいいのではなく身体を温めたあと体温が下がることがだいじなのです。毛細血管が拡張した手足から熱が放散され、身体の中核温度が下がることでメラトニンの分泌を促すことが出来ます。

温まってすぐに布団に入らずにしっかり湯冷めしてからのほうがいい眠りにつくことが出来ます。

室温は「18.3℃」が理想

寝室の理想的な温度は18.3℃です。

睡眠で大事なのが体温が下がっていくことです。メラトニンの分泌には体温が下がっていくことが必要だからです。快適な眠りにつくためには覚醒時の体温より1℃ほど下げる必要があります。

適切な睡眠をとることで向上する能力

記憶力

脳は活動していた間の記憶を眠ることで整理していきます。

私たちの日中の活動を記憶するのは脳の海馬というところですが、海馬にも容量がありすべてのことを覚えておくのは難しいです。睡眠は海馬の容量を確保してくれます。海馬に入っていた情報は睡眠の間に脳の皮質に移動され、記憶に定着していきます。海馬の容量が確保できればまた新たな情報を効率的に取り込んでいくことが出来ます。

認知能力

睡眠が効率よくなされると、人の顔の表情や身体のジェスチャー、群衆行動などを感じ取る認知機能が向上します。特にレム睡眠がこの認知機能向上に役立っています。

発達障害である自閉スペクトラム症(自閉症)は、対人関係などの社会的コミュニケーションが苦手とされていますが、自閉症の方の睡眠を研究すると一般よりレム睡眠の割合が30~50%少ないという研究があります。

これはあくまで観察による相関があるとわかった程度で因果関係が証明されているわけではありませんが、ラットによる実験でもレム睡眠を妨害すると脳のシナプスに異常が出るという報告もあります。それだけ睡眠が脳に与える影響が大きというのは事実なようです。

運動能力

睡眠は運動機能の向上にも役立っています。運動機能の向上には特にノンレム睡眠が役立っています。

ある研究では被検者にキーボードのタイピングを行ってもらう実験で、一回練習を行った後一晩寝寝てからテストを行うと寝ないで行った時よりもタイピングのスピードが20%、正確性が35%向上したのです。(どちらも一回の練習のあとに12時間休んでいる。一方は日中にやすんでもらい、一方は夜間に睡眠8時間を挟んで休んでもらった)。さらに日中にテストを受けて向上が見られなかったグループも一晩寝てまた同じテストを受けてもらったところ、同じように能力が向上したとのことです。

運動の情報を得た脳は、睡眠の力を使って情報を整理し運動を自動化できるようにしたということです。練習が完璧を作るのでなく、練習して寝ることで完璧が作られるのです。

睡眠のしくみ

睡眠によって人間の脳は進化した

人間の脳が他の動物に比べ発達したのは睡眠によるところが大きいといわれています。

特に睡眠の中のレム睡眠のおかげで高い社会性と認知機能を高められたのです。レム睡眠は脳の中の情報を統合し、あたらしい発見を生み出してくれます。夢を見るときもレム睡眠が働いているときです。

言語や道具の使用の上達、認知機能・IQの向上により複雑な社会を構築できるようになりました。その発達した脳で日中賢く活動し、夜にレム睡眠でその情報を整理しさらに高い次元で生活することで私たちは進化してきたのです。

「浅い眠り」と「深い眠り」~レム睡眠ノンレム睡眠

睡眠には周期があり「浅い睡眠(レム睡眠)」と「深い睡眠(ノンレム睡眠)」が一定のリズムで繰り返されます。

レム睡眠は、頭の中の情報を統合させたり神経(ニューロン)のつながりを強化します。反対にノンレム睡眠は、いらなくなった情報を削除したりします。

二つの睡眠サイクルを使って、日常にあふれる情報を取捨選択しているのが睡眠なのです。覚醒しているときに脳に情報を取り入れ、レム睡眠で記憶を強化し、ノンレム睡眠でいらない情報を捨て新たな情報を取り入れられるように記憶に容量を残す。これらのサイクルがうまく回っていれば活発に創造力あふれる活動ができるわけです。

まとめ

  • 睡眠時間を最低でも7時間確保することで脳の機能は保たれる
  • 夜の過ごし方で快適な睡眠を作り出すことが出来る

本書には他にも「なぜ夢を見るのか?」や「21世紀の新しい睡眠」などを題材にとりあげ、睡眠についての情報がこれでもかと掲載されています。良ければ手に取ってみてください。

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